2010年11月18日木曜日

本当に「ピンハネ」なのか?

最近、漫画家が自らウェブ公開などをするケースが増えてきた。そのような話がニュースになると、やたらと目につくのが、「出版社のピンハネ分が作家に入るほうが良い」というコメントだ。

しかし、本当に「ピンハネ」なんだろうか?出版社がかなりのコストをかけてマンガ雑誌を出版し、書店やコンビニに配送し、あるいはもっと裏方の部分で言えば場合によっては編集者が企画をし、作家を育て、あるいは作家に育てられ、お互いが協力し切磋琢磨し、そうやって今日の世界に誇る「漫画文化」が花開いたのだ。出版社なくしてこれだけの文化は絶対に育たなかったはず。作家と多少軋轢があるのは当然として(お互いプロなのだから)、一時期行き過ぎがあったにせよ、最近は休載や不定期連載も認知されてきているし、出版社も努力していると思う。我々読者もそのおかげで面白い作品を読んで来る事が出来たし、あるいは鑑賞眼も育てられてきたのだ。
今後出版がさらに難しくなりウェブが当然になり、ああ時代が変わってお疲れ様、ということはあっても、ピンハネなんて言葉を使うとは、言語道断ではないですか?今までお疲れ様でしたありがとう!だろ、といいたい。(ちなみに個人的には今でもマンガは実物を買って読むのが好き。自分ではわりとヘビーなネットユーザーだと思うが、まだまだデータは読みにくい)

これはマンガだけじゃなくて、音楽もそうだし、今後配信が一般化しそうな映画(まあ映画は低レベルだけど)だってそうだ。決して、作家だけが苦労しているのではなく、出版社、製作会社、配給会社などがあって、初めて市場が育ったのだ。各分野の個人作家が収益を得る場が増えるのは歓迎されることではあるにせよ、それらの作品のプロモート側だってかなりの努力をしてきたはずだし、それらが読者と共に作家のレベルを上げてきたはずだ。

むしろピンハネというならば、立ち読みや違法ダウンロードだけで全て済ませている個人の方がずっと問題じゃないか。そもそもコンビニに行って、立ち読みはまだしも、座り読みしてるやつにも腹が立つ(しかもたいていは大人だ)。人様の商品を、人様の邪魔をしてまで・・・おっと話がずれてきた。

いつも面白いマンガを提供してくれる出版社には本当に感謝。

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